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語尾８．【動詞＋ます（か）】【形容詞＋です（か）】動詞・形容詞＋아요/어요について学ぶ。

＜これだけは＞

　（１）「陽母音（ㅏ, ㅗ）」と「陰母音（ㅏ, ㅗ以外）」の復習

　動詞・形容詞のやわらかい丁寧な「ですます」を学ぶ前に母音の区別の復習をしておきます。この区別がとても大事なので、しっかり区別できるようになりましょう。

　まず、韓国人は母音を「ㅏ, ㅗ」を「明るく、小さく、軽い、プラスな感じの音」と捉え、これを「陽母音」と呼んでいます。一方「ㅏ, ㅗ」以外、特に「ㅓ, ㅜ」を「暗く、大きく、重い、マイナスな感じの音」と捉え、「陰母音」と呼んでいます。

　二重母音などは、陽母音は陽母音同士、陰母音は陰母音同士くっつきます。陽母音と陰母音の組み合わせは相性が悪いのです。

　　ㅗ（陽母音） + ㅏ（陽母音） ＝ 와　（相性がいい）

　　ㅜ （陰母音）+ ㅓ（陰母音） ＝ 워　（相性がいい）

　　×　ㅜ（陰母音）　+　ㅏ（陽母音） ㅜㅏ　←相性が悪い。こんな字はない！

　　×　ㅗ（陽母音）　+  ㅓ（陰母音） ㅗㅓ　←相性が悪い。こんな字はない！

　 韓国語の単語を見ると・・・

　  밝다（明るい）    가볍다（軽い）    작다（小さい）　많다（多い）は主に「陽母音 ㅏ」で構成されており、

　　「明るくて　　　　軽くて　　　　　小さくて　　　プラスな感じ」

　　어둡다（暗い）　　 무겁다（重い）　  크다（大きい）　적다（少ない）は、「ㅓ, ㅜ」など、「陽母音」以外の母音で構成されています。

　　「暗くて　　　　　重くて　　　　　大きくて　　　マイナスな感じ」   　

  色の濃さも陽母音、陰母音で明度が変わったり、

　　　노랗다（明るい黄色）　←陽母音

　　　누렇다（暗めの黄色）　←陰母音

　擬音語・擬態語においても、

　　　반짝반짝（きらきら）

      번쩍번쩍（ぎらぎら）

 というように、陽母音、陰母音で強度が変わったりします。

　このように、韓国語母語話者は、「ㅏ, ㅗ」陽母音動詞の組み合わせが良いね」「ㅏ, ㅗ」以外の陰母音は「ㅏ, ㅗ」陽母音と組み合わせられないねというような感覚が身についているわけです。つまり、私たちも韓国語を学ぶ上で、同じ感覚を身につけていかなければならないということでもあります。これは韓国語の発音感覚を身につけるうえで、役に立つと思います。

　（２）いわゆる「해요体」の話～辞書形から「다」をとったとき直前に「パッチムがある」場合

　陽母音と陰母音の復習が終わったので、本題に入ります。 韓国語で「です・ます」といった丁寧な語尾には、「やわらかい丁寧な해요」 と、かしこまった丁寧「습니다体」 の二つがあります。今回は、やわらかい丁寧の「해요体」について説明します。「해요体」も、かしこまった丁寧「습니다体」と同じように、「辞書の形」から「―다」を取って語尾をくっつけます。動詞・形容詞ともに同じ活用をします。

　語尾の付け方は二通りあって、「아요」か「어요」をつけます。基本的には「아요」か「어요」を付けるのですがそうじゃないものも多いので、ここでは簡単な方法だけ扱い、難しいものについては、下の「さらに」「もっと詳しく」で説明します。

　「아요」「어요」という二つの語尾は、よく見ると「ㅏ　陽母音が含まれるもの」「ㅓ　陰母音が含まれるもの」になっています。陽母音は陽母音、陰母音は陰母音と相性がいいというルールがあるので、陽母音語尾「아요」の直前には「ㅏかㅗ」が来て、陰母音語尾「어요」の直前には「ㅏかㅗ以外」が来ると予測できます。

　　辞書形から「―다」を取った一番後ろが「陽母音」　+　아요

　　辞書形から「―다」を取った一番後ろが「陰母音」　+　어요

「습니다体」では、辞書形から「―다」を取った一番後ろにパッチムが有るか無いかで判断していましたが、今回は違います。あくまでも陽母音、陰母音基準です。

　①まず、最初のステップとして、赤字の部分に陽母音「ㅏ, ㅗ」が含まれているもの、そうじゃないもので分けてみましょう。

　　먹다（食べる）  　　　높다（（建物などの高さが）高い）     　　입다（着る）   　　　　있다（ある）   　

　　받다（ もらう）    　　　작다（小さい／（背が）低い）   　　　신다（履く） 　　   

　　괜찮다（大丈夫だ）    맛있다（おいしい）    맛없다（まずい）     같다（同じだ）

　②分けたら次のようになると思います。

　＜陽母音＞

　　작다（小さい／（背が）低い）   　 높다（（建物などの高さが）高い）　　　받다（ もらう）　　 　　괜찮다（大丈夫だ） 　　　　같다（同じだ）

　＜陰母音＞

　　먹다（食べる） 　　　입다（着る） 　　　　있다（ある）　　신다（履く） 　　  맛있다（おいしい）    맛없다（まずい） 

　③最後に語尾をつけます。

　読みは全て連音化をおこします。

（３）「ㄹ脱落」は起きない

 「습니다体」では「ㄹ脱落」という不規則がありましたが、「ㄹ脱落」はありません。

　　　울다（泣く） 　　　　→　울 ＋ 아요 ＝ 울어요（泣きます）

　　　살다（暮らす/住む）　→  살 ＋ 아요 ＝ 살아요（暮らします／住 みます）

　　　멀다（遠い）　　　　 →　멀 ＋ 어요 ＝ 멀어요（遠いです）

　　　길다（長い）　　　　→　 길 ＋ 어요 ＝ 길어요（長いです）

　その代わり、他の不規則（下の「さらに」「もっと詳しく」を参照）があります。

　（４）二重パッチムの連音化

 二重パッチムを持つ動詞・形容詞であっても読むときには連音化が起こります。「連音化」や「二重パッチムの連音化」については、「Ｃ－９．連音化」「Ｃ－７．二重パッチムの代表音」「Ｃ－１０．二重パッチムの連音化」などを参考にしてください。

　ここでは、単語の例と読みの表を載せておきます。

＜さらに＞

「縮約形」

　上では単純に辞書形から「다」をとって、「아요」、「어요」をくっつける活用を説明しました。ここでは、縮約形といって、「아요」、「어요」が一文字に縮約されてしまうパターンを学びます。このパターンは、辞書形から「다」をとった時に、「最後の文字にパッチムがない」ものに起こるのが特徴です。

　①辞書形から「다」をとった時に、最後の文字に「ㅏ」「ㅓ」が含まれるパターン

 辞書形から「다」をとった時、最後の文字に「ㅏ」「ㅓ」が含まれる場合次に来る「아」「어」は同じ音のため縮約されます。

②辞書形から「다」をとった時に、最後の文字に「ㅗ」「ㅜ」が含まれるパターン

 辞書形から「다」をとった時、最後の文字に「ㅗ」「ㅜ」が含まれる場合、次に来る「아」「어」と一文字を形成し、「ㅘ」「ㅝ」に縮約されます。

※書き言葉の過去形などは縮約せずに「오았습니다」「보았습니다」「주었습니다」「배우었습니다」と書くことがある。

③辞書形から「다」をとった時に、最後の文字に「ㅐ」「ㅔ」が含まれるパターン

 辞書形から「다」をとった時、最後の文字に「ㅐ」「ㅔ」が含まれる場合、次に来る「어」が消える縮約をおこします。

④辞書形から「다」をとった時に、最後の文字に「ㅣ」が含まれるパターン

 辞書形から「다」をとった時、最後の文字に「ㅣ」が含まれる場合、次に来る「어」に「ㅣ」が組み込まれる縮約をおこします。「어」に「ㅣ」が組み込まれるという考え方は、Ｂ－５．ハングルのヤユヨを参考にしてください。ここでは単純に、説明しますが、「ㅣ」が「ㅓ」に組み込まれる時、「ㅣ」は「・」に変化し「어」にくっ付き、「여」になると考えてください。そうすると下のような変化になります。

※書き言葉の過去などでは、縮約させずに「보이었습니다」「모이었습니다」「마시었습니다」「가르치었습니다」と書くこともあります。

⑤「하다（する）」と「되다（なる）」の縮約

 「하다（する）」と「되다（なる）」の縮約 は、それぞれ「해요（します）」、「돼요（なります）」となります。「되다」は母音字「ㅣ」が含まれれているからといって、④の縮約のように「도ㅕ」のような形にはなりません。「ㅚ」に「ㅓ」がそのままくっついた、「ㅙ」の形をとります。

　「하다」に関しては、本来の活用を説明すると、「아요/어요」がつくのではなく、唯一「여요」がつく活用になっています。「하여요」が本来の形です。しかし、これはかしこまった書き言葉以外ではほとんど使われないので、「해요」を覚えておけば十分です。

＜もっと詳しく＞