Ｃ－９．［連音化］パッチムの連音化について整理する。
＜これだけは＞
（１） 「連音化とは」
＊ここで、[ ]という鍵括弧が使われていますが、この括弧は［発音どおりだと、このように書きますよ］という印です。
また、＜ ＞という鍵括弧で括った文字は「書く時はこう書いてくださいね」という印です。
二つの括弧の区別をしながらよんでください。
連音化とは、漢字の通り、音が連なる（変）化のことを言います。「音が連なる」というのはどういう場合かと言うと、名詞、動詞・形容詞関係なく、「パッチムの後ろに母音が連なる」場合のことです。例えば、
「사람（人）」という単語の後ろに、「이에요（～です）」という語尾がくると、
＜사람이에요（人です）＞となるわけですが、この時の発音は 「사람（人）」と「이에요（～です）」を別々に発音するわけではありません。
発音は [사라미에요] と発音します。
「사람」のパッチム「ㅁ」が、母音「ㅣ」とくっついて[미]と発音されるのです。
このような現象を「連音化」と呼んでいます。書くときは、＜사람이에요＞と書くのですが、読み方は[사라미에요]です。
母音の「ㅇ」は「無音」なので、「パッチムが無音の『ㅇ』にお引越しする」と考えるといいでしょう。
パッチムは「無音の『ㅇ』に引っ越せる」のです。
しかし、このパッチムの引っ越し＝連音化は、「ㅇ」同士には起こりません。例えば、
＜학생이에요（学生です）＞の場合は、「학생」という単語のパッチムが「ㅇ」なので、後ろの「이」の「ㅇ」に引っ越すことができません。
なので、そのまま「ㅇ」パッチムを発音します。「ㅇ」というパッチムの発音は難しいですけど、「連音化させない意識ができれば」きれいに発音できると思います。
（２）「連音化」は単語間、単語と文法の間いずれでも起こる
韓国語の 「連音化」は、たいていどんな場合でも起こります。例えば、
＜음악（音楽）＞ ⇒ [으막]
＜한국인（韓国人）＞ ⇒ [한구긴]
というように、単語間でも起こりますし、
「이（～が）」という助詞でも、 ＜서울이（ソウルが）＞ ⇒ [서우리]
「～이에요（～です）という語尾がついても、 ＜일본이에요（日本です）＞ ⇒ 「일보니에요」
と発音されます。
「ㅇ」パッチム以外はほぼ（「ほぼ」というのは例外もあるということです）連音化するので、各パッチムの場合どのように連音化するか調べておきましょう。
例：＜먹어요（食べます）＞ ⇒ [머거요]
＜신어요（履きます）＞ ⇒ [시너요]
＜받아요（もらいます）＞ ⇒ [바다요]
＜웃어요（笑います）＞ ⇒ [우서요]
＜찾아요（探します）＞ ⇒ [차자요]
＜쫓아요（追います）＞ ⇒ [쪼차요]
＜알아요（わかります）＞ ⇒ [아라요]
＜참아요（我慢します）＞ ⇒ [차마요]
＜입어요（着ます）＞ ⇒ [이버요]
＜さらに＞
「パッチムは怖くない」
パッチムの発音が難しいという人もいると思いますが、この連音化によって、実はパッチムが難しくなくなるんです。なぜならば、連音化はパッチムの発音を消す役割をするからです。書き表す時にパッチムがあったとしても、会話の場合、発音するとほとんどパッチムが消えます。パッチムの発音が残ったとしても、濃音化とか、鼻音化とか、他の音にかわったりするので、むしろ、そっちの変化のほうが難しかったりします。
濃音化、鼻音化は少しコツがいりますが、単語だけ読んで「パッチムの発音が難しい」と感じている人は、とりあえず単語単位で読みの練習をするのではなく、文単位で練習し、いろんなパチムの連音化に慣れてしまえばいいと思います。
＜もっと詳しく＞
しかし、連音化しそうな繋がりであっても、単語によっては連音化せず、「ㄴの挿入」という現象が起こることがあります。これについては、「連音化する単語」と「ㄴが挿入する単語」を個別に覚える必要があります。
ㄴが挿入する単語の例：＜담요（毛布）＞ ⇒ [담뇨]
また、名詞にはないのですが、動詞・形容詞の場合「語幹がㅎパッチムで終わるもの（例：좋다（良い））」の後ろに、母音語尾「例：아/어요（～です／ます）等」が連なる場合、「ㅎ」は連音化を起こさず、消えるという現象（ㅎの脱落）が起こります。
＜좋아요（良いです）＞ ⇒ [조아요]
そのほかにも、「連音化しそうなのにしない繋がり」（口蓋音化、激音パッチムが体言につくか用言につくかで音が変わる等）があって、「連音化」だけ覚えればいいというわけではない難しさが、韓国語にはあります。