Ｃ－３３．[口蓋音化]「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理する。
＜これだけは＞
（１）口蓋とは
「口蓋」とは、 いわゆる「うわあご」のことです。「うわあご」と言っても、「下のあご」のように外から見えるわけではないので、確認しづらいですが、要は口の中の天井部分のことです。韓国語では実際に「입천장（口てんじょう）」と言っています。
| うわあご＝口の天井部分 |
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この「口蓋」は、舌先を歯の後ろをスタート地点にして、喉の方向になぞることができると思います。歯茎に近いほど硬く、喉に近いほどやわらかいというのが特徴です。舌先を歯茎の近くにつけて発音する音の代表的な音には、「ㄷ」「ㅈ」「ㅊ」があります。「다다다」「자자자」「차차차」と連続して発音すると、舌先がうわあごについたり、離れたりして発音しているのに気づけると思います。
（２）口蓋音化とは
「口蓋音化」というのは、本来表記通りなら「ㄷ」「ㅈ」「ㅊ」の音が含まれていないのに、「ㄷ」「ㅈ」「ㅊ」の音で発音する現象のことをいいます。例えば、下の例のようなものがあります。
①못 해요[모태요]（できません） ＝ C-24.[口蓋音化]パッチム「ㅅ」の後にㅎが来る場合の口蓋音化について整理する
②같이[가치]（一緒に）＝ C-29.[口蓋音化]パッチム「ㄷ、ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理する
③닫히다[다치다]（閉じる）＝ C-30.[口蓋音化]パッチム「ㄷ」の後に「히」が来る場合の口蓋音化について整理する
④못 오다[모도다]（来られない）＝ C-33.[口蓋音化]「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理する
今回は、④のC-33.[口蓋音化]「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理してみます。
（３）「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理する
韓国語の発音変化で一番最初に学ぶことは、「連音化」です。
| 9 | [連音化]パッチムの連音化について整理する | 5 |
「꽃이（花が）」であれば[꼬치]、「꽃이（花が）」であれば[꼬치]、「맛있어요（おいしいです）」であれば[마시써요]、「옷이（服が）」であれば[옷이]と発音しました。しかし、これとはまた違う特殊なケースがあります。
特にこの特殊なケースは、ある語とある語がくっついて使われる（一単語と一単語が連続する）場合です。
たとえば、数詞を尋ねる疑問詞「몇（いくつ／何（個））」という語は、後ろに必ず何らかの単位や名詞が来ます。
「몇 개（何個）」, 「몇 사람（何人）」, 「몇 시（何時）」という具合です。この場合は濃音化が起こり、連音化は起こしませんが連音化を起こすケースでは、特殊な変化が起きます。「몇 월（何月）」の時は、「×며춸」という連音化を起こしません。代わりに、
몇 월（何月） ＝＞ 〇[며둴]
さらに、「몇 호（何号）」の時は、「×며쵸」という連音化を起こさず、
몇 호（何号） ＝＞ 〇[며토]と発音します。
また、「맛있어요（おいしいです）」の時は、連音化を起こし[마시써요]と発音しますが、「맛없어요」は、「×마섭써요」とはならず、
맛없어요（まずいです） ＝＞ 〇[마덥써요]と発音します。
このように「ㅊ」「ㅅ」パッチムが、同じ口蓋音の「ㄷ」「ㅌ」の音に切り替わる現象は少ないので、単語の意味と発音をセットで覚えるようにしましょう。この他にも、「못（～できない）」という副詞を用いた述語の場合がありますが、以下のものをおさえておけば大丈夫です。
못 알아듣다（聞き取れない）[모다라듣다]
못 알아보다（見間違う）[모다라보다]
못 오다（来られない）[모도다] ＝＞活用した場合も同じく口蓋音化が起きる 못 왔어요[모돠써요]
못 웃다（笑えない）[모두따]
＜さらに＞
「『この口蓋音化は、ㅅパッチムの後ろに아,오,우が来た時に起こる』と説明することがあるが、必ずしもそうじゃない例」
팜플렛（パンフレット）の後ろに助詞「이」をいれたら、「팜플렛이（パンフレットが）」となり連音化を起こします。
「팜플렛이（パンフレットが）」 [팜플레시]
しかし、助詞を省略して「있어요（あります）」を直後に使ったとき、
「팜플렛 있어요?（パンフレットありますか）」 [팜플레디써요?]
のように、口蓋音化することがあります。
本来「맛있어요」も口蓋音化 して[마디써요]が正しいようなのですが、現在はほとんど使われていません。
また、「못 일어나다（起きられない）」「못 읽다（読めない）」「못 입다（着られない）」などは、本来[몬이러나다][몬닉따][몬닙따]のように、「ㄴの添加」が起こるのですが、[모디러나다][모딕따][모딥따]で発音することも許容されています。
「何日「몇」+「일」は口蓋音化 でなくて、連音化」
上の説明を聞くと、「몇（何）」と「일（日）」をつなげた「何日」も、「×며딜」となるような気がしてしまいますが、この語に関しては、こういった混乱をさけるため、表記も発音も一致させた「一単語」として扱います。
表記：며칠 （×「몇 일」とは書かない）
発音：며칠
＜もっと詳しく＞
「その他の口蓋音化」
①못 해요[모태요]（できません） ＝ C-24.[口蓋音化]パッチム「ㅅ」の後にㅎが来る場合の口蓋音化について整理する
②같이[가치]（一緒に）＝ C-29.[口蓋音化]パッチム「ㄷ、ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理する
③닫히다[다치다]（閉じる）＝ C-30.[口蓋音化]パッチム「ㄷ」の後に「히」が来る場合の口蓋音化について整理する
④못 오다[모도다]（来られない）＝ C-33.[口蓋音化]「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理する
今回は④の口蓋音化しか扱いませんでしたが、他にもあるので、しっかり身につけるようにしましょう。