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Ｃ－２９．[口蓋音化]パッチム「ㄷ、ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理する 。

＜これだけは＞

（１）口蓋とは

　「口蓋」とは、 いわゆる「うわあご」のことです。「うわあご」と言っても、「下のあご」のように外から見えるわけではないので、確認しづらいですが、要は口の中の天井部分のことです。韓国語では実際に「입천장（口てんじょう）」と言っています。

うわあご＝口の天井部分

　この「口蓋」は、舌先を歯の後ろをスタート地点にして、喉の方向になぞることができると思います。歯茎に近いほど硬く、喉に近いほどやわらかいというのが特徴です。舌先を歯茎の近くにつけて発音する音の代表的な音には、「ㄷ」「ㅈ」「ㅊ」があります。「다다다」「자자자」「차차차」と連続して発音すると、舌先がうわあごについたり、離れたりして発音しているのに気づけると思います。

（２）口蓋音化とは

　「口蓋音化」というのは、本来表記通りなら「ㄷ」「ㅈ」「ㅊ」の音が含まれていないのに、「ㄷ」「ㅈ」「ㅊ」の音で発音する現象のことをいいます。例えば、下の例のようなものがあります。

　①못 해요[모태요]（できません） ＝　C-24.[口蓋音化]パッチム「ㅅ」の後にㅎが来る場合の口蓋音化について整理する

　②같이[가치]（一緒に）＝　C-29.[口蓋音化]パッチム「ㄷ、ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理する

　③닫히다[다치다]（閉じる）＝　C-30.[口蓋音化]パッチム「ㄷ」の後に「히」が来る場合の口蓋音化について整理する

　④못 오다[모도다]（来られない）＝　C-33.[口蓋音化]「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理する

　今回は、②のC-29.[口蓋音化]パッチム「ㄷ、ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理してみます。

（３）パッチム「ㄷ, ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理する

　「ㄷ, ㅌ」パッチムとういのは、「돋다（（日が）昇る）」における「돋」、「끝（終わり）」という語などに現れるパッチムです。一文字で発音される時、代表音である、「ㄷ」になります。しかし、この後ろに「이」という音が来ると、「지」または、「치」という音に変化します。　本来ならば「디」「티」と発音しても良いのですが、「ㄷ」「ㅌ」が同じ口蓋音の仲間である「ㅈ」「ㅊ」に変わってしまうわけです。

　厳密に言うと、[ㄷ]や[ㅌ]が[이]という母音の発音に引っ張られて、舌先が少し喉の奥の方にずれることで、[ㅈ]や[ㅊ]の音になってしまうのです。

＜口蓋音化(厳密には舌先が少し喉の奥の方にずれる現象)＞

＜さらに＞

「正しい発音ではないけれど、許容される発音」

　「끝（終わり）」という語は、口蓋音化してはいけないときにされたり、口蓋音化しなければならないときにされなかったりします。

　　끝을（終わりを）　　＝＞本来なら[끄틀]だが、[끄츨]で発音することがある。

　　끝이（終わりが）　　＝＞本来なら[끄치]だが、[끄시]で発音することがある。

　※「ㅌ」「ㅊ」「ㅈ」パッチム を持つ名詞は、「이」とぶつかる時、[시]で発音される傾向が強い。

    밭이（畑が）　＝＞本来なら[바치]だが、[바시]で発音することがある。

　　꽃이（花が）　＝＞本来なら[꼬치]だが、[꼬시]で発音することがある。

　　빚이（借金が） ＝＞本来なら[비지]だが、[비시]で発音することがある。

　　몇이서（何人かで）　＝＞ 本来なら[며치서]だが、[며시서]で発音することがある。

＜もっと詳しく＞

「その他の口蓋音化」

　①못 해요[모태요]（できません） ＝　C-24.[口蓋音化]パッチム「ㅅ」の後にㅎが来る場合の口蓋音化について整理する

　②같이[가치]（一緒に）＝　C-29.[口蓋音化]パッチム「ㄷ、ㅌ」の後に「이」が来る場合の口蓋音化について整理する

　③닫히다[다치다]（閉じる）＝　C-30.[口蓋音化]パッチム「ㄷ」の後に「히」が来る場合の口蓋音化について整理する

　④못 오다[모도다]（来られない）＝　C-33.[口蓋音化]「몇 월、 몇 호、 맛없다、 못 오다、못 알아듣다」の読みについて 整理する

　今回は②の口蓋音化しか扱いませんでしたが、他にもあるので、しっかり身につけるようにしましょう。