Ｃ－２２．[激音化]動詞・形容詞の語幹パッチム「ㅎ」の後ろに「ㄷ、ㅈ、ㄱ」が来る場合の激音化について整理する 。
＜これだけは＞
＊ここで、[ ]という鍵括弧が使われていますが、この括弧は［発音どおりだと、このように書きますよ］という印です。
また、＜ ＞という鍵括弧で括った文字は「書く時はこう書いてくださいね」という印です。
二つの括弧の区別をしながらよんでください。
（１） 「激音化とは」
まず「激音化」は、「平音が激音に変わること」を言います。濃音が激音に変わることはありません。
※平音・激音・濃音の違いは、Ｃ－１.【平音・激音・濃音】日本語とは少し異なる、または日本語にない子音を整理し、発音のポイントを言葉で書く
に書いてありますが、ここで簡単におさらいしておきます。
激音と言われるのは、所謂「息を強く吐き出す音」[ㅋ][ㅌ][ㅍ][ㅊ]の事を言います（ここに[ㅎ]を含める学説がありますが、今回はこの学説は使いません）。この激音は、それぞれ、平音[ㄱ][ㄷ][ㅂ][ㅈ]を発音する時、より息を強く出して発音した音です。ですから、親戚関係になります。激音は、親戚同士が入れ替わります。
簡単に言うと激音化とは、
[ㄱ]が[ㅋ]になること
[ㄷ]が[ㅌ]になること
[ㅂ]が[ㅍ]になること
[ㅈ]が[ㅊ]になること
です。
（２） 「激音化する条件」
激音化する条件には二つあります。
一つ目は、今回扱う「動詞・形容詞の語幹パッチム『ㅎ』の後ろに「ㄷ,ㅈ,ㄱ」が来る場合の激音化
二つ目は、Ｃ－２３．「ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈ」パッチムの後ろに子音「ㅎ」が来る場合の激音化
です。「動詞・形容詞の語幹パッチム『ㅎ』の後ろに「ㄷ,ㅈ,ㄱ」が来る場合というのは、例えば、＜좋다(良い）＞＜놓다（置く）＞というような語が想定されます。これらをよく見ると、「ㅎパッチム」の後ろに「ㄷ」が来ています。この時激音化が起こります。[ㄷ]の激音化とは、[ㅌ]になることでしたので、
[조타]
[노타]
と発音されます。この時、「ㅎ」は無音になるわけではなく（詳しくはＣ－１２．ㅎの無音化）、「ハー」という息が出る特性が「ㄷ」に吸収されます。それで、「ㅌ」という音になるのです。
「ㅎ」の後ろに「ㄱ」「ㅈ」が来ても激音化が起こります。例えば、「～して」という語尾「고」、「～でしょう」という語尾「지요」が付いた場合、
＜좋고＞[조코]（良くて） ＜좋지요＞[조치요]（良いでしょう）
＜놓고＞[노코]（置いて） ＜놓지요＞[노치요]（置くでしょう）
となります。＜어떻게＞（どのように）も同様です。「어떻게」は「어떻다」（どのようだ）という形容詞に、副詞化語尾「게」がくっ付いた形で、「ㅎパッチム」と「ㄱ」が連続しています。よって、
＜어떻게＞[어떠케]（どのように）
になります。よく「オットケ（어떠께）」みたいに発音されますが、一応標準発音のルール上、[어떠케]が正解になります。
＜さらに＞
「ㄷ,ㅈ,ㄱ」以外の子音例えば「습니다」のような語尾が付くときは激音化は起こりません。しかし、代わりにＣ－１１．濃音化が起こります。
＜어떻습니까?＞ [어떧씀니까]（ どうですか）
また、「ㄴ」が後続する場合Ｃ－１９．鼻音化が起こります。
＜놓는 장소＞ [논는장소]（ おく場所）
＜좋냐?＞ [존냐]（ 良いかい？）
＜もっと詳しく＞
ㅎパッチムを持つ形容詞には不規則が多いので、活用には注意が必要です。基本的に激音が起こる環境では不規則がありませんが、不規則活用する場面をしっかりと覚えて起きましょう。詳しくは「Ｅ－３５．パッチム有りの形容詞の해요体（ㅎ変則）を整理する」「Ｅ－３９．パッチム有りの形容詞の(으)면体（ㅎ変則）を整理する」をご覧ください。