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Ｃ－１９．【鼻音化】パッチム代表音「ㄱ,ㄷ,ㅂ」の 鼻音化について整理する。

＜これだけは＞

（１）パッチム代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」とは

パッチムの代表音は、詳しくＣ－６、Ｃ－７見てもらうとして、ここでは代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」の３つを簡単に説明します。

この3つのパッチムの音は、「調音点」といって「発音の仕方」で分けることができました。

「代表音」とは、同じ発音の仕方であれば、「同じ発音になる」ということを意味します。

つまり、

　「밖（外）」は、「ㄲ」というパッチムですが、「ㄱ」と舌の後ろの部分を喉の上につける発音の仕方（調音点）が一緒なので、［박］と発音するということです。

　「박（朴）」さんという名字がいますが、「밖」と「박」は発音上一緒です。しかし、意味が違うので、「밖」「박」はしっかりと書き分けなければなりません。

　「낮（昼）」は、「낫（鎌）」と舌先を上の歯の裏につける発音の仕方（調音点）が一緒なので、発音は同じく［낟］です。

　「잎（葉）」と「입（口）」も発音の仕方（調音点）が、口を閉じる発音の仕方が一緒なので、発音は同じく[입]になります。

鼻音化は、とにかくこの「発音の仕方（調音点）」が重要になりますので、この3つのパッチムの代表音は意識して発音できるようにしてください。

（２）鼻音とは

　鼻音は、「鼻から息を出す音」です。詳しくＣ－６を見てもらうとして、ここでは、この鼻音3つの「発音の仕方（調音点）」を復習しておきます。

鼻音	代表音	発音の仕方（調音点）	口腔図
舌の後ろ部分を使う発音＋鼻音	ㅇ	図のように「舌の後ろ部分を喉の上につけて、「ン」を発音する。舌先は必ず下がり、口が開いていないといけない。 　 「単語例」 강（川）　공항（空港）　종（鐘）
舌先を使う発音＋鼻音	ㄴ	図のように「舌先を上の葉の裏につけて、「ン」を発音する。下の後ろは喉につかず、喉が開いていなければならない。 　 「単語例」 운（運）　원（ウォン）　반（学校のクラス）
唇を使う発音＋鼻音	ㅁ	図のように「口を閉じて」「ン」を発音する。 　 「単語例」 마음（心）　　처음（初めて）　　감（柿）

（３）パッチム代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」の鼻音化と

以上（１）（２）を見ると共通点を見つけることができます。それは、

という共通点です。鼻音は「鼻から息を出」しますので、代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」と別物ですが、違はそこだけで、「発音の仕方（調音点）」は同じです。

口腔図をみても、「鼻から息を出す」という点はことなるものの、赤い点で示したところ（息の通り道が閉じている点）は、それぞれ共通になります。

代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」の口腔図	鼻音の口腔図
ㄱ	ㅇ
「単語例」 학년[항년]（学年）　　　부엌만[부엉만]（台所だけ)         닦는 것[당는 걷]（拭くもの
ㄷ	ㄴ
「単語例」 꽃만[꼰만]（花だけ）　　웃는 남자[운는 남자]笑う男　　　　받는 사람[반는 사람]（受取人）
ㅂ	ㅁ
「単語例」 입문[임문]（入門）　　　   앞만[암만]（前だけ）　　　없는 것[엄는 것]（ないもの）

実は、発音の観点から見ると、「ㄱとㅇ」、「ㄷとㄴ」、「ㅂとㅁ」パッチムは、それぞれ親戚関係と言えるのです。

鼻音化というのは、代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」パッチムの次に鼻音「ㄴ, ㅁ」のような鼻から息を出す子音がくると、

自然と代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」もつられて鼻から息を出してしまい、親戚関係である「ㅇ, ㄴ, ㅁ」に代わる現象なわけです。

例を見ると、

　「학년（学年）」は、「학（学）」という「ㄱ」パッチムの次に、鼻音「ㄴ」が後続するわけですが、「ㄱ」の親戚である、「ㅇ」で発音されます。

　ですから、「학년」は書くときこそ「학년」ですが、発音する時は、[항년]で発音します。後続する「ㄴ」につられて発音するものなので、

　「ㄱ」の舌の形（下の後ろをのどにつける）がしっかりできていれば、自然に発音できます。

　「부엌만（台所だけ）」も、「부엌（台所）」のパッチム代表音[ㄱ]が後続する「ㅁ」によって鼻音になるので、[부엉만]と発音します。

鼻音化とは簡単に言うと、パッチム代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」の次に鼻音「ㄴ, ㅁ」が来ると、それぞれ鼻から息が出て親戚の音に代わることを言います。

＜さらに＞

「鼻音化の練習」

　鼻音化の説明に、

　　ㄱ　+　ㄴ,ㅁ　→  ㅇ

    ㄷ  +　ㄴ,ㅁ　→  ㄴ

    ㅂ　+　ㄴ,ㅁ　→　ㅁ

　という図で説明しているものもありますが、「足し算」のように覚えるより、「親戚関係」がとにかく重要な考え方なので、「ㄱ, ㄷ, ㅂ」パッチムの「発音の仕方」で「鼻から息を出す」という練習を繰り返した方が良いと思います。

　初級単語でも、鼻音化する単語が多いので、できるだけ数をこなして、「聞いて覚える」「発音本来の書き方も覚える」という練習を繰り返した方が、早く慣れると思います。

　例を参考に、以下の単語を発音し、「発音本来の文字」で書いてみましょう。「発音本来の文字」を書くときは[ ]で括りましょう。

　＜例＞

　　書くとき「학년（学年）」　　　発音本来の字[항년]

　　書くとき「거짓말（嘘）」　　　 発音本来の字[거진말]

　　書くとき「끝나다（終わる）」　 発音本来の字[끈나다]

　　書くとき「없네요（ないですね）」発音本来の字[엄네요]

    書くとき「앞날（将来）」　　　発音本来の字[　　　]

    書くとき「연습 문제（練習問題）」発音本来の字[　　　]

    書くとき「못 먹어요（食べられません）」　発音本来の字[　　　　]

　　書くとき「악마（悪魔）」　　　発音本来の字[　　　]

＜もっと詳しく＞

　鼻音化は他に、代表音「ㄱ, ㄷ, ㅂ」に「ㄹ」が後続すると鼻音化する現象があります。気になる方は調べてみましょう。 

Ｃ－３５．【鼻音化】パッチム「ㄱ,ㅂ」の後ろに「ㄹ」が連続する場合の鼻音化について整理する。