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E－16．本日の三文（伝聞などの文法要素を決めて作文）

＜これだけは＞

「伝聞」は、「引用」とも呼ばれます。「伝聞」または「引用」は、『人やテレビから聞いた話を誰かに（第3者に）伝える』ときに使う文法の形のことです。

「伝聞」「引用」の中でも、「人が言っていたことをそのまま（直接）誰かに伝える形」を直接引用、「人が言っていたことを自分なりに形を変えるもの」を間接引用とよびます。

例えば、先生が「勉強しなさい」と言ったとします。これを友達に伝える時、

「先生が、『勉強しなさい』と言ってきた」というように『勉強しなさい』と、そのままの形で伝える方法が直接引用、

「先生が、『勉強しろ』って言ってきた」というように、『勉強しろ』と、形を変えて伝える方法が間接引用になります。

韓国語で、直接引用はどのようなセリフでも、主語を明確にした後、セリフの後ろに「라고 합니다（と言います）」や「라고 해요（と言います）」などを付けると直接引用になります。

つまり、先生が「내일은 학교에 안 와도 돼요（明日は学校に来なくていいですよ）」と言った場合、

例１：선생님이 “내일은 학교에 안 와도 돼요”라고 했어요（先生が「明日は学校に来なくていいですよ」と言いました。）

となります。人が言ったセリフをそのまま引用する場合、日本語だと「　」（鍵括弧）を使いますが、韓国語では、“　”でくくります。

＊言葉の強調に使う「」は、‘　’でくくります。

この直接引用は、疑問形、勧誘形、命令形であっても、すべて同じように「라고 합니다」が使えます。

例２：선생님이 “한국어 공부 잘 하고 있어요?”라고 했어요.（先生が「韓国語の勉強ちゃんとしてますか」と言いました。）

例３：선생님이 “열심히 공부합시다”라고 했어요.（先生が「一生懸命勉強しましょう」と言いました。）

例４：선생님이 “한국어 공부하세요”라고 했어요.（先生が「韓国語の勉強をしてください」と言いました。）

ところで、「라고 합니다」「라고 해요」は日本語で「～と言います」「～と話しました」と訳せますが、あえて「言う（말하다）」「話す（이야기하다）」という語はあえて使わなくても十分通じます。むしろ、「言う（말하다）」「話す（이야기하다）」を使うとおかしく聞こえる場合があるので、注意が必要です。

また、「言います」なのか「言いました」なのか、「現在／過去」どちらを使うかは基本的に日本語と変わりませんが、「話したことを聞いたことを伝える」という特性上、「話された言葉は『過去』」なのは、明確なので、「라고 합니다」というように「現在形」を「～と言いました」の意味で使用することも頻繁にあります 。また、現在形のままで「～と言っています」と解釈できる時もあるので注意が必要です。日本語訳するときは、そのつど臨機応変に考えましょう。

＜さらに＞

間接引用は、１．平叙文、２．疑問文、３．勧誘文、４．命令文、５．依頼文によって形がことなります。名詞、形容詞は、平叙文と疑問文しかないのですが、動詞はこの５つの形をしっかり使い分ける必要が出てきます。

５つの文型と品詞の区別がまだ理解できていない人は、まず、この区別から勉強するようにしましょう。ここからは、もうすでに５つの文型と品詞の区別ができることを前提に話を進めていきます。

１．平叙文

間接引用の場合、日本語で「～と言います」「～と言っています」以外にも、「～だそうです」と訳せる文が多くあります。「～だそうです」といっても、「おいし『そうです』」のように推測で使うのではなく、あくまでも「と言っていた」という引用の意味で使うので、日本語で考える時注意が必要です。あくまでも、伝聞、引用の「だそうです」であることを忘れないでください。それと、「聞いた話を相手に伝える」ので、「～と聞きました(라고 들었어요)」という形でもよく使われます。

また、聞いた話でなくても、自分の言葉をセリフとして表現したいとき、例えば、「～라고 생각해요（だと思います）」という形でもつかえるのがこの伝聞の特徴です。

＊連体形と形が似ていますが、連体形ではないので気を付けてください。

＊現在連体形であれば、パッチム有り無し関係なく「는」、過去連体形であればパッチムの有無によって「ㄴ/은」の形をとります。

　さらに、連体形は、活用した形の後ろに名詞がきますが、伝聞はあくまでも「다고と結合した形」で表されます。

＊「있다」「없다」および、「있다」「없다」が付く形容詞「맛있다」「맛없다」も形容詞の活用。

平叙文の「過去形」は、動詞、形容詞、名詞関係なく、「過去形＋다고 하다」となります。

２．疑問文

疑問文は、「합니까?」「해요?」「할까요?」などいろいろな疑問がありますが、すべて同じ形になります。疑問文は、「～と言う」という形も取れますが、「묻다(尋ねる）」の形もよく使います。

＊古い言い方では、品詞によって形がことなりますが、ここでは新しい言い方のみ扱います。

３． 勧誘文

　勧誘文は、「합시다」「하자」「할까요?」 「해요!」など 、日本語で言えば「しましょう」「しよう」以外にも「しませんか？」という疑問形をとる勧誘文もあります。形だけで疑問文と勧誘文を区別しらい面があるので、「相手から誘われている」と感じるかどうかを基準として考えましょう。

 勧誘文も「～しようとごねる」などの形をとることができるので、下記に記した通り、「자고 하다」だけでなく、「자고 조르다（～しようとねだる／ごねる／せがむ）」や「자고 전해 주세요（～しようと伝えてください）」という形も取れます。

＊「勧誘」という行為は、動詞でしか表せられないので、勧誘文の伝聞形は動詞しかありません。

４．命令文

　命令文の代表的なものは、「해라!」「해!」「해요!」 などがありますが、「하세요」など 、一見お願いや依頼のように感じるものもあります。これは、後述する「依頼文の伝聞」で詳しく説明しますが、「命令文」とは、「命令、お願い、依頼」問わず、「聞き手（命令された人）が『命令された！』と感じる」文のことで、形の如何にとわず、「命令された！」と感じれば、すべて命令になります。たとえ、先生がやさしく「매일 공부합시다（毎日勉強しましょう）」と一見勧誘のように見える文でも、聞き手が「勉強しろってうるさいな！俺に命令するなよ！」と反感を持てば、

「先生が、勉強しろってうっせーんだよな」

と、友達に伝える可能性もあります。勧誘文もそうですが、どのような形の文が「命令文になるか」は、伝える人の気持ちによって変わるということを覚えておきましょう。

＊命令文も勧誘文と同様「～しろと言う」の他にも、下記に記した通り、「(으)라고 하다」だけでなく、「(으)라고 전해 주세요（～しようと伝えてください）」「(으)라고 시끄럽다（～しろとうるさい）」という形が取れます。

＊「(으)라고 하다」という形は、名詞平叙文の伝聞形「(이)라고 하다」と似ていますが、パッチムのある時「으」が挿入される点で、名詞の「(이)라고」とは異なります。命令は動詞でしか表せられないので、「라고」とくっつく品詞で判断できます。

＊語幹にパッチムがあるとき「으」が挿入されるということは、「パッチムの変則動詞（ㅅ,ㅂ,ㄷ）」に気を付ける必要があります。また、「ㄹパッチム」の時は、「으」を挿入しませんので注意が必要です。

＊命令の伝聞形「(ㅇ)라고」は、「도록 （말했다：～『するように』言った）」と互換性があります。

相手に二度言い直す時など、尊敬の「-시다」を入れて、「시라고」を入れることもできます。

（間違い電話がかかってきたが、相手が聞こええていないようで、もう一度言い返す場面）

Ａ：전화 잘 못 거셨어요. 전화 번호 다시 한 번 확인해 보세요.（電話間違ってかけてますよ。電話番号もう一度確認してみてください。）

Ｂ：..방금 뭐라고 했어요?（今何ておっしゃいましたか？）

Ａ：그러니까 다시 한 번 확인해 보시라고요. 이 번호가 아닌 것 같아요. （だから、もう一度確認してみてくださいって。この番号じゃないと思いますよ。）

＊否定の命令（禁止文）の伝聞形もりますが、詳しくはこちら

５． 依頼文

　依頼文の伝聞は難しいため、詳しくこちらで説明します。

＜もっと詳しく＞

６．伝聞の縮約

　　伝聞には、縮約形というのものがあります。縮約形についてはこちらで説明します。

７．伝聞のもう一つの形

　伝聞は、「다고」「냐고」「자고」「라고」という呪文のように覚えるという手もあります。また、ため口では、「다고」「냐고」「자고」「라고」の後ろに何もつけずに、

例５：내일은 학교에 안 와도 된다고（ 明日学校に来なくてもいいって）

例６：한국어 공부 잘 하고 있냐고（ 韓国語の勉強ちゃんとしてるかって）

例７：열심히 공부하자고（一生懸命べんきょうしようって）

例８：한국어 공부하라고（ 韓国語の勉強しろって）

これらの表現は語尾のイントネーションを上げると、「聞き返し」の言い方にもなります。

例９：내일은 학교에 안 와도 된다고(요)?（ 明日学校に来なくてもいいだって（ですって）？）

例１０：한국어 공부 잘 하고 있냐고(요)?（ 韓国語の勉強ちゃんとしてるかだって（ですって）？）

例１１：열심히 공부하자고(요)?（一生懸命べんきょうしようだって（ですって）？）

例１２：한국어 공부하라고(요)?（ 韓国語の勉強しろだって（ですって）？）

例１３：뭐라고(요)?（何だって（ですって）？）

聞き返しの表現はため口だけでなく、語尾「요」を付けて少し丁寧な表現にもできますが、何度も「聞き返す」という、行為自体失礼にあたる場合がありますので、極力「自分のせい（環境のせい）で聞き取れなかった」という意志を表示する必要があります。

例えば、「죄송한데（すいませんが）」や「電話の音が良く聞こえない（電波が悪い）」「今電車に乗っていて」というような言葉を添えつつ、「라고 하셨어요?」という敬語表現を使うと良いでしょう。また、「聞こえていなくても、聞こえたふりをしながら、話を進める」というのも一つの手ではあります。

＊韓国ではバス、地下鉄の中で携帯が使えるということを念頭に置いています。

例１４：죄송한데, 지금 내일 학교에 안 와도 된다고 그러셨죠? （すみませんが、今「明日学校にこなくてもいいとおっしゃいましたよね？）

例１５：전파가 안 터져서 소리가 잘 안 들리네요. 지금 한국어 공부 잘 하고 있냐고 물어 본 거죠?

　　　（電波が悪くて声が聞こえないんですよ。今韓国語の勉強ちゃんとしてるかって聞いたんですよね？）

例１６：열심히 공부하자고요? 네, 그래요. 서로 열심히 합시다!

　　　（一生懸命勉強しようですって？はい、そうですよね。お互い一生懸命やりましょう！）

例１７：죄송한데 방금 뭐라고 하셨어요?（すみませんが、今さっきなんとおっしゃいましたか？）

わざと聞き返して、ケンカ腰で言いたいのであれば、次のようになります。しかし、使い方を間違えると殴り合いになりますので、注意してくください。

例１８：뭐라고? 다시 말해 봐.（何だって？もう一回言ってみろ！）

例１９：나 보고 이것 하라고? 너나 해!（俺に対してこれをしろってか？お前がしろ！）

例２０：이제 와서 미안하다고? 지금 사과해도 용서 못해!（ 今更ごめんってか？今謝っても許さない！）

例２１：결혼하자고? 미쳤어? 돈도 못 버는 주제에（結婚しようですって？おかしんじゃないの？稼ぎもないくせに！）

８．「-시다」「-겠」 「-거」の伝聞の語尾処理

　尊敬の「-시다」 、推量や未来意志の「-겠」、意志「-ㄹ/을 거예요」などの語尾を伝聞の形に変えることができます。

「-시다」の場合

例２２：다음 주 한국에 가신다고요?

例２３：철수 씨를 좋아하신다고요?

「-겠」の場合

例２４：지금 모르겠다고 하셨어요?（今わからないっておっしゃいましたか？）

例２５：배 고파 죽겠다고요!（おなかがすいて死にそうなんだってば！）

例２６：어떻게 이걸 다 할 수 있겠냐고요!（どうして、こんなの全部できるっていうんですか！）

「-ㄹ/을 거예요」

「거」という文法要素は「依存名詞」なので、「거」は基本的に名詞扱いです。よって、「거라고」という形をとります。

例２７：다시 만날 수 있을 거라고, 걱정하지마!（また会えるって、心配するな！）

例２８：저는 그 사람이 다음 달 미국에서 돌아올 거라고 생각해요.（私はあの人が来月かえってくると思います。）