E－19．本日の三文（伝聞 の縮約形の作文）
＜これだけは＞
「間接引用」の伝聞は、１．平叙文、２．疑問文、３．勧誘文、４．命令文（禁止文）、５．依頼文に分けられます（E-16）。この引用文はそれぞれ、「고 하다（～と言う）」という形が共通してい、後ろの「하다」の部分が「言う」という意味を担っています。
さらに、この間接引用の「고 하다」は縮約形があり、「고 하다」を省略することができます。間接引用は、「고 하다（～と言う）」以外にも、「고 들었다（～と聞いた）」「고 전하다（～と伝える）」というバリエーションがありますが、「고 하다」のみ縮約にすることができます。
なお、縮約形の場合、「～と言う」と日本語で訳すよりも「～だそうです」という訳のほうがしっくりくるものも多いです。後述する通り、自己紹介の時に使う「저는 박철수라고 합니다（私はパクチョルスと言います）」を「저는 박철수래요（私はパクチョルスだそうです）」という言い方でできなかったりします。
１．平叙
動詞、形容詞の平叙文の縮約形は、「다고 하다」の部分が「대」になります。名詞の場合は、「라고 하다」の部分が「래」になります。「대」「래」だけだとため口なので、丁寧な表現にしたい場合は、「요」をつけて「대요」「래요」にします。
＊間接引用の縮約なので、動詞語幹、形容詞語幹と「다고」の接続のしかたは、E-16で解説したものと同じです。
| 動詞 | 平叙文の間接引用 | 間接引用の縮約形 |
| パッチムなし 動詞語幹＋ㄴ다고 하다 | 철수 씨는 내일 학교에 못 간다고 해요. | 철수 씨는 내일 학교에 못 간대(요). （チョルスさんは明日学校に行けないそうです。） |
| パッチムあり 動詞語幹＋는다고 하다 | 철수 씨는 일본어 책을 읽는다고 해요. | 철수 씨는 일본어 책을 읽는대(요). （チョルスさんは日本語の本を読んでいるそうです。） |
| ㄹパッチム語幹の場合 動詞語幹（ㄹ脱落
） ＋ㄴ다고 하다 |
철수 씨는 부산에 산다고 해요. | 철수 씨는 부산에 산대(요). （チョルスさんはプサンに住んでいるそうです。） |
| 形容詞 | 平叙文の間接引用 | 間接引用の縮約形 |
| パッチムありなし関係なく 形容詞語幹＋ 다고 하다 |
유카리가 미경보다 더 예쁘다고 해요. | 유카리가 미경보다 더 예쁘대(요). （ゆかりがミギョンよりもときれいだそうです。） |
| 유카리가 미경보다 더 귀엽다고 해요. | 유카리가 미경보다 더 귀엽대(요). （ゆかりがミギョンよりもっとかわいいそうです。） |
|
| ㄹパッチム語幹の場合 ㄹ脱落は「しない！」 | 학교까지 멀다고 해요. | 학교까지 멀대요. （学校まで遠いそうです。） |
| 名詞 | 平叙文の間接引用 | 間接引用の縮約形 |
| パッチムなし 名詞＋ 라고 하다 | 철수 씨 여자친구가 가수라고 합니다. | 철수 씨 여자친구는 가수래요. （チョルスさんの彼女は歌手だそうです。） |
| パッチムあり 名詞＋ 이라고 하다 | 철수 씨 부인은 아직 학생이라고 해요 | 철수 씨 부인은 아직 학생이래요 （チョルスさんの奥さんはまだ学生なんですって） |
名詞引用の縮約形は、「래」ではあるのですが、自己紹介でよく使う、「～は〇〇と言います」の「라고 합니다」は縮約形にできません。もし「래요」を使うと、自分のことではなく、他人の話をしているような感じになります。歌や詩ではわざと、自分のことでっても、「私は～らしいよ」のように自分を第3者に見立てて表現することがありますが、そのようなときは「래요」が使えます。
例１：저는 좋은 사람이래요.（私は良い人らしいですよ。（って友達がそう言ってますよ））
過去形もそのまま「고 하다」を全て「대요」に切り替えることができます。
| 過去形 | 平叙文の間接引用 | 間接引用の縮約形 |
| 動詞過去形 았/었/였다고 하다 | 철수 씨는 지난 달까지 한국에서 살았다고 해요. | 철수 씨는 지난 달까지 한국에서 살았대요. （チョルスさんは先月まで韓国で暮らしていたそうです。） |
| 形容詞過去形 았/었/였다고 하다 | 철수 씨는 어렸을 때 키가 작았다고 해요. | 철수 씨는 어렸을 때 키가 작았대요. （チョルスさんは、小さい時背が低かったそうです。） |
| 名詞過去形 았/었/였다고 하다 | 철수 씨는 작년까지 경찰관이었다고 해요. | 철수 씨는 작년까지 경찰관이었대요. （チョルスさんは去年まで警察官だったそうです。） |
２．疑問文
疑問文の縮約形は、すべて「냬요」になります。疑問文は、 「냐고 묻다(～かと尋ねる）」の形が使えますが、この縮約はあくまでも、「냐고 하다」の縮約しかできませんので、注意してください。
| 動詞 | 疑問の間接引用 | 縮約形 |
| パッチムあるなし関係なし 動詞語幹 ＋ 냐고 하다 |
철수 씨가 나한테 어디에 가냐고 해. | 철수 씨가 나한테 어디에 가냬요. （チョルスさんが私にどこに行くかだってよ） |
| ㄹパッチム語幹の場合 ㄹ脱落 ＋ 냐고 하다 | 철수 씨가 나한테 어디에 사냐고 물었어요. | 철수 씨가 나한테 어디에 사냬요. （チョルスさんが私にどこに住んでいるかですってよ） |
| 形容詞 | 疑問の間接疑問文 | 縮約形 |
| パッチムあるなし関係なし 形容詞語幹 ＋ 냐고 하다 |
철수 씨가 남자 친구는 성격이 좋냐고 했어요. | 철수 씨가 남자 친구는 성격이 좋냬요. （チョルスさんが彼氏の性格は良いかだって） |
| ㄹパッチム語幹の場合 ㄹ脱落＋냐고 하다 | 철수 씨가 집에서 학교까지 머냐고 했어요. | 철수 씨가 집에서 학교까지 머냬요. （チョルスさんが家から学校まで遠いのかって言ってましたよ） |
| ㄹパッチム語幹の場合 ㅎ脱落＋녀고 하다 | 철수 씨가 북한 냉면은 맛이 어떠냐고 했어요.
|
철수 씨가 북한 냉면은 맛이 어떠냬요. （チョルスさんが北朝鮮の冷麺は味はどうかですって。） |
| 名詞 | 疑問の間接引用 | 縮約形 |
| パッチムなし 名詞 ＋ 냐고 하다 | 철수 씨가 나한테 너 바보냐고 했어요. | 철수 씨가 나한테 너 바보냬요. （チョルスさんが私にお前馬鹿か？だそうです。） |
３． 勧誘文
勧誘文の縮約形は、すべて「쟤요」になります。
| 動詞 | 勧誘の間接引用 | 縮約形 |
| パッチムあるなし関係なし 動詞語幹 ＋ 자고 하다 |
철수 씨가 나한테 결혼하자고 했어요. | 철수 씨가 나한테 결혼하재요. （チョルスさんが私に結婚しようと言いました。） |
４．命令文
命令文の縮約形は、「래요」 が付きます。名詞の「-(이)라고 하다」の縮約形と形は同じですので、意味の区別に注意してください。
| 動詞 | 命令の間接引用 | |
| パッチムあり 動詞語幹 ＋ 라고 하다 |
아버지가 똑바로 하라고 해. | 아버지가 똑바로 하래요. （お父さんがちゃんとしろだって） |
| パッチムあり 動詞語幹 ＋ 으라고 하다 |
선생님이 똑바로 앉으라고 해요. | 선생님께서 똑바로 앉으래요. （私がちゃんと座れと命令すると、子どもたちは言うことをちゃんと聞きますよ。） |
＊드시다（召し上がる）、주무시다（お休みになる）という、敬語動詞の場合、「드시래요」「주무시래요」というような形になります。
よって、お店の主人が「맛있게 드세요（おいしく召し上がってください）」と言ったことを第3者に伝えたい場合は、「가게 주인이 맛있게 드시래요（お店の主人がおいしく召し上がりなさいって言っています）」というように伝えることになります。
＊禁止（否定の命令）「지 말라고 해요」の縮約形も、命令の「라고」を「래요」に変えるだけで実現できます。
例２：선생님이 지각하지 말라고 해요.
⇒ 例３：선생님이 지각하지 말래요.（先生が遅刻するな だって）
「지 말자고 해요」の縮約形は、勧誘の「자고」を「재요」に変えるだけで実現できます。
例４：멀리 가지 말자고 해요.（遠くに行かないでおこうですって）
⇒ 例５：멀리 가지 말재요.（遠くに行かないでおこうですって）
５． 依頼文
依頼文の縮約形は、「달라고」の「라고」 を命令の時と同じように考えて、「래요」にすればいいだけです。
例６：우리 아이가 동물의 숲 사 달라고 해요. （うちの子供がどうぶつの森を買ってというんです）
⇒ 例７：우리 아이가 동물의 숲 사 달래요.（うちの子供がどうぶつの森を買ってというんです）
＜さらに＞
韓国語の「～と言っていた」「～と言った」という過去の表現は、「고 했어요」というように「해요」ではなく、「했어요」になるわけですが、「해요」と「했어요」の違いを縮約形で表すことも可能です。
たとえば、
＜平叙文の間接引用の縮約過去＞
・動詞・形容詞
「現在」다고 해요 ⇒ 대요
例８：철수가 내일 학교 간다고 해요.（チョルスが明日学校に行くと言っています）
⇒例９：철수가 내일 학교 간대요.（チョルスが明日学校に行くと言っています）
「過去」다고 했어요 ⇒ 댔어요
例１０：철수가 내일 학교 간다고 했어요.（チョルスが明日学校に行くと言いました）
⇒例１１：철수가 내일 학교 간댔어요.（チョルスが明日学校に行くと言いました）
・名詞
「現在」(이)라고 해요 ⇒ (이)래요
例１２：이름은 수지라고 해요.（名前はスジだそうです）
⇒例１３：이름은 수지래요.（名前はスジだそうです）
「過去」(이)라고 했어요 ⇒ (이)랬어요
例１４：직업이 가수라고 했어요.（仕事が歌手だと言いました）
⇒例１５：직업이 가수랬어요.（仕事が歌手だと言いました）
＜勧誘文の間接引用の縮約過去＞
「現在」 자고 해요 ⇒ 재요
例１６：같이 놀러 가자고 해요.（一緒に遊びに行こうと言っています）
⇒例１７：같이 놀러 가재요.（一緒に遊びに行こうと言っています）
「過去」자고 했어요 ⇒ 쟀어요
例１８：같이 놀러 가자고 했어요.（一緒に遊びに行こうと言いました）
⇒例１９：같이 놀러 가쟀어요.（一緒に遊びに行こうと言いました）
＜命令文の間接引用の縮約過去＞
「現在」 라고 해요 ⇒ 래요
例２０：빨리 오라고 해요.（早く来いと言っています）
⇒例２１：빨리 오래요.（早く来いと言っています）
「過去」 라고 했어요 ⇒ 랬어요
例２２：빨리 오라고 했어요.（早く来いと言いました）
⇒例２３：빨리 오랬어요.（早く来いと言いました）
＜禁止文の間接引用の縮約過去＞
・말라고
「現在」-지 말라고 해요 ⇒ -지 말래요
例２４：가지 말라고 해요.（行くなと言っています）
⇒例２５：가지 말래요.（行くなと言っています）
「過去」-지 말라고 했어요 ⇒ -지 말랬어요
例２６：가지 말라고 했어요.（行くなと言いました）
⇒例２７：가지 말랬어요.（行くなと言いました）
・말자고
「現在」-지 말자고 해요 ⇒ -지 말재요
例２８：가지 말자고 해요.（行かないでおこうと言っています）
⇒例２９：가지 말재요.（行かないでおこうと言っています）
「過去」-지 말자고 했어요 ⇒ -지 말쟀어요
例３０：가지 말자고 했어요.（行かないでおこうと言いました）
⇒例３１：가지 말재어요.（行かないでおこうと言いました）
＜依頼文の間接引用の縮約過去＞
「現在」아/어/여 달라고 해요 ⇒ 아/어/여 달래요
例３２：밥 사 달라고 해요.（ごはんおごってくれって言っています）
⇒例３３：밥 사 달래요.（ごはんおごってくれって言っています）
「過去」아/어/여 달라고 했어요 ⇒ 아/어/여 달랬어요
例３４：밥 사 달라고 했어요.（ごはんおごってくれって言いました）
⇒例３５：밥 사 달랬어요.（ごはんおごってくれって言いました）
というようになります。
＜もっと詳しく＞
間接引用の縮約のオプションとしてほかにも、平叙に「-잖아요」を付けることができます。
例３６：먼저 온댔잖아요（先に来るって言っていたじゃないですか）
また、縮約とは異なりますが、
例３７：걸어 가자고 하세요（歩いて行こうとおしゃっています）
の「고 하세요（고 해요の尊敬語）」の部分を省略して、
例３８：걸어 가자세요（歩いて行こうとおっしゃっています）
と表現できたり、
例３９：선생님께서 똑바로 앉으라고 하셨어요.（先生がちゃんと座れとおっしゃいました）
の「고 하셨어요（고 했어요の敬語）」を省略して、
例４０：선생님께서 똑바로 앉으라셨어요.（先生がちゃんと座れとおっしゃいました）
とすることができます。
特に命令文は、セリフを発言する人が、目上の人が多いので、「선생님께서 똑바로 앉으라고 하세요」のように敬語の形が使われる場合があり、「目上の人が発した言葉なので、語尾も敬語にしたい」という思いが例３ ８、４０のような言い方で現れます。
こういう応用の例を挙げればきりがありませんが、「고 하네요」を省略して
例４１：재미있다고 하네요.（面白いって言ってますよ）
例４２：재미있다네요.（面白いって言っていますよ）
とすることもできます。