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Ｄ－１６．固有数詞を２０～９０まで整理する（十の位ずつ）

＜これだけは＞

「漢数詞」「固有数詞」という言葉と、その使い方

　 韓国語の数字には、日本語の数字と同じく、「漢数詞」と「固有数詞」の区別があります。「漢数詞」というのは、「イチ」「ニ」「サン」「シ」「ゴ」という漢字の音読みで読むもののことです。韓国語だと、「一(일)」「三(삼)」「四(사)」のように読みます。漢字は中国語由来なので、「一（イー）」「三（サン）」「四（スー）」といった中国語の発音と共通点を見つけることができるのが特徴です。 詳しくは、「D-11.漢数詞を１～２０まで整理する」をご覧ください。

　一方、「固有数詞」というのは、韓国語独自、日本語独自の読みで読むもののことです。例えば日本語なら「ひ(一)」「ふ(二)」「み(三)」という読みがあります。これに物を数える「つ」を付けると、「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」のようになるし、日にちを数える「か」を付けると、「ふつか」「みっか」になります。

　「ついたち」は、×「ひとたち」とはなりませんが、このような例外を除けば、「ひ」「ふ」「み」がいろいろ形を変えて単位を表すという点では一緒です。つまり、「固有数詞」は、「活用」するのです。反対に「漢数詞」は活用しません。韓国語も似た特徴を持っています。

　韓国語の「固有数詞」には「하나（ひとつ）」「둘（ふたつ）」「셋（みっつ）」「넷（よっつ）」という固有数詞が存在し、必要に応じて、形を変えて単位を表していきます。

　しかし、日本語と大きな違いが存在します。韓国語はなんと、11以降も固有数詞があるのです。

韓国語の 「固有数詞」

　日本語で「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」 ・・・「とお」まで来たら「１１」以降は、「とおひとつ」とは言わずに、「ジュウイチ」という漢数詞を使います。しかし、韓国語は99まで固有数詞が存在します。（昔「온(100)」、「즈믄(1000)」と言う固有数詞もあったが、現在は使用しない。）

二十以降のものは、十の位ずつに整理します。

＜さらに＞

「固有数詞の活用」（単位を付けた時の形）

　「D-15.固有数詞を1～20まで整理する」でも説明しましたが、韓国語 の固有数詞は、単位を付けた時、形が変形するものがあります。上の30～90の固有数詞は変形がありませんが、年齢を言う時に変形させる必要があるので、十の位と合わせた形で使えるようにしておきましょう。

「固有数詞の使用方法」（20以上を使うケース）

　「固有数詞」の20以上を使うケースというのは非常に限られています。年齢を1～99まで聞いてわかる状態であれば十分です。本来、「명(～名)」、「개(～個）」なども20以上は「固有数詞」で数えますが、20を超えると、「漢数詞」を使う人もたくさんいます。固有数詞、漢数詞の使い分けがしっかりできるのは、アナウンサーくらいじゃないでしょうか。

 ただし、「하나(ひとつ）」～「스물(20 )」と漢数詞の使い分けは、まだあいまいではないので、20までの固有数詞の使い分けはしっかりしておきましょう。

＜もっと詳しく＞

「言語が親戚関係にあるかどうかは固有数詞でわかる」

　日本語と韓国語は、よく似ています。助詞があり、語尾がある。そして、中国から入ってきた漢語を使用しています。漢語だと発音も似ているし、「もしかしたら韓国語と日本語は祖先が一緒だったのかも」と思いたくなりますが、実ははっきりしたことがわかっていません。

　歴史言語学的に、親戚関係かどうかを判断する基準に、「固有数詞が似ているかどうか」というのがあるのですが、「ひ（一）」と「하나」は、『h』から始まる音だから似ているかもと思いますが、「ふ（二）」「み(三)」以降は、「둘」「셋」なので、発音が全くことなります。

　まだはっきり分かっていないだけで、もしかしたら親戚関係なのかもしれませんが、現在の研究では、「親戚関係とは言えない」というのが定説になっているようです。むしろ、「百済」「高句麗」「新羅」という国が台頭した、三国時代の「高句麗」の固有数詞がどうやら、日本の固有数詞に近かったということまでは分かっています。「みっつ」は、「密[mit]」「なな」が、「難隠[nanon]」、「とお」が「徳[tok]」という発音だったことまでは、文献から分かっています。

　古代日本の倭国は、むしろ百済と仲が良かったはずなのですが、超ミステリーですね。

　他にも、近代まで残っていた、「100」の固有数詞「온」ですが、現在は、「すべての」という意味で使用される連体詞になっています。

　例：온 나라（全ての国）、온 세상（全世界）、온 가족（家族みんな）

　日本では、「八百万の神」のことを「やおよろずのかみ」と言いますが、「八」を「や」と読むのはわかるとして、「百」「万」が、なぜ「お」「よろず」なのか、不思議に思ったことはありませんか。「万屋（よろずや）」という語があるので、「万」が「よろず」なのはわかるとして、「百」が、なぜ「お」に該当するのか。

　これは、「百」は韓国の固有数詞、「온」として読んでいたのではないかという説があります。そして、「よろず＝たくさん」というのは、韓国語の「様々な」という意味の「여러」から来たのではないかという説も。信じるか信ないかは、あなた次第です。