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Ｄ－１１．漢数詞を１～２０まで整理する（一桁ずつ）

＜これだけは＞

「漢数詞」「固有数詞」という言葉と、その使い方

　 韓国語の数字には、日本語の数字と同じく、「漢数詞」と「固有数詞」の区別があります。「漢数詞」というのは、「イチ」「ニ」「サン」「シ」「ゴ」という漢字の音読みで読むもののことです。韓国語だと、「一(일)」「三(삼)」「四(사)」のように読みます。漢字は中国語由来なので、「一（イー）」「三（サン）」「四（スー）」といった中国語の発音と共通点を見つけることができるのが特徴です。

　一方、「固有数詞」というのは、韓国語独自、日本語独自の読みで読むもののことです。例えば日本語なら「ひ(一)」「ふ(二)」「み(三)」という読みがあります。これに物を数える「つ」を付けると、「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」のようになるし、日にちを数える「か」を付けると、「ふつか」「みっか」になります。

　「ついたち」は、×「ひとたち」とはなりませんが、このような例外を除けば、「ひ」「ふ」「み」がいろいろ形を変えて単位を表すという点では一緒です。つまり、「固有数詞」は、「活用」するのです。反対に「漢数詞」は活用しません。韓国語も似た特徴を持っています。

　韓国語の「固有数詞」には「하나（ひとつ）」「둘（ふたつ）」「셋（みっつ）」「넷（よっつ）」という固有数詞が存在し、必要に応じて、形を変えて単位を表していきます。詳しくは、「D-15.固有数詞を１～２０まで整理する」をご覧ください。

　※数詞は、人を数える時、「り」をつけると、「ひとり」「ふたり」までは「固有数詞」だけど、「三人（さんにん）」からは、「漢数詞」を使うという、「いくつまでは固有数詞が使えるけど、いくつ以上は漢数詞を使う」という制約があって使い方が複雑です。韓国語も日本語と全く同じではありませんが、似たような性質があります。

韓国語の 「漢数詞」

　中国語由来なので、中国語の「一（イー）」「二（アール）」「三（サン）」「四（スー）」といった中国語の発音と似ているのが特徴です。覚える時も、アラビア数字で対応させるより、「漢字で対応させた方が覚えやすい」です。というのは、中国語由来の「漢数詞」は、アラビア数字で表記すると、「文字数に違いが出てくる」からです。一の位までは良いのですが、十の位以降は文字数が、漢字とアラビア数字では異なります。

「十」がアラビア文字では2文字、漢字とハングルでは1文字になっているのに気づいたでしょうか。「ハングルの文字数は、漢字の文字数と同じ」なので、少し面倒であっても、十の位以降は漢字と文字数を対応させながら覚えていった方が良いと思います。漢字とハングルの文字数を比較して、もし、文字数が異なっていれば、それは間違っているということがすぐにわかるからです。百の位以降になると顕著に差がわかります。

　しかし、ここでは１～２０のまとめなので、

　百の位以降は、「D-12．漢数詞を20～100まで整理する(十の位ずつ)」と「D-13.漢数詞を千～１万まで整理する(千の位ずつ」をご覧ください。以下には、11～20までをまとめます。

　漢数詞は、漢字に対応しているので「十一」であれば、「十」の韓国語 漢数詞「십」に、「一」の韓国語漢数詞「일」を付ければ完成です。「二十」であっても、「二」の韓国語 漢数詞「이」に、「十」の韓国語漢数詞「십」を付ければ完成です。漢数詞の組み合わせは非常にシンプルです。

＜さらに＞

「零(レイ：固有数詞)」「ゼロ(英語)」と 「電話番号」の読み方

　韓国語で電話番号を口頭で伝えたい時は、基本的に漢数詞を使います。しかし、「ゼロ（０）」に関しては特殊で、漢数詞の「零（영）」ではなく、「ゼロ」を意味する「공」を使います。

 0138：공일삼팔

 厳密にいうと「공」は漢字の「空（からっぽ）」を意味するので固有数詞でも、漢数詞でもありません。ただ、電話番号や漢数詞の羅列のときの「ゼロ(0)」は、「공(空)」を使うのが慣例です。

「零（영)」をいつ使うのかというと、小数点以下の「0.15」を表す時に使います。「点(.)」は、「점」と発音するので、この場合は、「영 점 일오」と読みます。

電話番号の話に戻しますが、電話番号で「0」は、「공」なので、以下のように読みます。

　電話番号の「―（ハイフン）」は、「다시」または、「에」と読みます。ただし、ここで注意したいのは、日本語も一緒ですが、電話番号を口頭で伝える時、発音が似ているものが連続すると伝わりにくくなるので、あえて「固有数詞」で伝える場合もあります。伝わりにくかったら、「固有数詞」で伝えるテクニックも身につけておきましょう。

※日本語では、「イチ」「シチ」が並ぶと分かりにくいので、「シチ」の代わりに固有数詞「なな」を使ったりしますよね。

「伝わりにくいケース」

「あえて固有数詞にする」

＜もっと詳しく＞

「発音変化」（6の読み、ㄹの鼻音化、ㄹの添加）

　漢数詞は基本的に、一桁ずつ区切ってはっきり発音すれば通じます。しかし、韓国語には発音ルールがきっちりと定まっているので、発音ルールにしたがって発音しなければなりません。

　①発音ルール１．漢語の表記ルール（発音も一緒）

　　韓国語の漢語は、単語の一番最初に「ㄹ」がくることができません。二文字目以降なら「ㄹ」が使えます。そのため、本来「ㄹ」から始まる漢語であっても、「ㄹ」を付けません。

＜表１＞

　実は、漢数詞「육(六)」の本来の発音と表記は、「륙」です。でも、単独で発音する時や、単語の一番最初にくる場合は、「ㄹ」を発音できませんから、「육」で発音します。しかし、電話番号や数字の羅列のの二文字目以降であれば、「ㄹ」を発音して良いので、「륙」で発音します。

ここで気を付けたいのは、表1のような漢字熟語は、発音も表記も「ㄹ」になるのに対して、数字「육(六)」を書く時は、「육」のままにするということです。

書く文字と発音が異なることに注意しましょう。

　②発音ルール２．「ㄹ」の鼻音化ルール（１）

　　韓国語は、「ㅁ」「ㅇ」パッチムの後ろに「ㄹ」がくると、「ㄹ」が「ㄴ」で発音されます。これは発音だけなので、表記は、「ㄹ」を「ㄴ」で書く必要はありません。

 漢数詞、「륙(六)」の前に、「ㅁ」「ㅇ」パッチムを持つ「영(零)」「삼(三)」が来た場合、「ㄹ」が「ㄴ」で発音され、次のような発音になります。これは発音だけなので、表記は、「육」のままでいいです。

③発音ルール３．「ㄹ」の鼻音化ルール（２）

　　韓国語は、「ㄱ」「ㅂ」パッチムの代表音後ろに「ㄹ」がくると、「ㄱ」「ㅂ」パッチムの代表音が、それぞれ、「ㅇ」「ㅂ」で発音され、さらに「ㄹ」が「ㄴ」で発音されます。これは発音だけなので、表記は変わりません。

 漢数詞、「륙(六)」の前に、「ㄱ」「ㅂ」パッチムを持つ「육(六)」「백(百)」「십(十)」が来た場合、「ㄱ」「ㅂ」パッチムの代表音が、それぞれ、「ㅇ」「ㅂ」で発音され、さらに「ㄹ」が「ㄴ」で発音されます。これは発音だけなので、表記は、「육」のままでいいです。

④発音ルール４．「ㄹ」の添加ルール

　　韓国語は、「ㄹ」パッチムの後ろに「이」がくると、「이」ではなく、「리」で発音するという、「ㄹの添加ルール」が存在します。「일(一)」「칠(七)」「팔(八)」の後ろに、「이」で始まる、「일(一)」「이(二)」がくると、それぞれ、「릴」「리」で発音します。発音が変わるだけなので、表記まで変える必要はありません。

ただし、これは数字の羅列の時に起こる発音変化であって、同じような表記であっても、「일일（ついたち）」「칠일（なのか）」「팔일（ようか）」では「ㄹの添加」は起こりません。この場合は、連音化します。

また、「일이(仕事が）」のようなときも連音化します。