Ｃ－２８．［濃音化］漢語の個別的に決まった濃音化について整理する。
＜これだけは＞
（１） 「漢語とは」
「漢語」とは、漢字で表すことができる韓国語のことです。韓国語は基本的に、ハングルで書きますが、漢字音をハングルで表記しているものが7割ほどあります。
| 韓国固有の語 | 바다（うみ）、사람（ひと）、해（おひさま）、집（いえ） |
| 漢語 | 동해(東海)、한국인（韓国人）、태양（太陽）、가옥（家屋） |
| 外来語 | 인터넷（インターネット）、커피（コーヒー）、키위（キウィ） |
日本語の漢語には、音読み（中国や朝鮮半島を経由して伝来した読み方）と、訓読み（日本語に合わせて漢字を当てたもの）の二つの読み方があります。
しかし、韓国では漢字を読む時、大概一つの読み方だけで読みます。これが日本と韓国で、漢字を読む時の大きな違いです。
＜日本の漢字の読み方＞
| 漢字 | 音読み | 訓読み |
| 人 | ひと | じん |
| 日 | にち | ひ |
| 家 | か | いえ |
| 海 | うみ | かい |
＜韓国の漢字の読み方＞
| 漢字 | 音読みのみ | |
| 人 | 인 | 漢字で書いてある「人」を韓国では「사람（ひと）」と読むことはしません |
| 日 | 일 | 漢字で書いてある「日」を韓国では「해（たいよう）」と読むことはしません |
| 家 | 가 | 漢字で書いてある「家」を韓国では「집（いえ）」と読むことはしません |
| 海 | 해 | 漢字で書いてある「海」を韓国では「바다（うみ）」と読むことはしません |
「漢語」は、漢字なので、「漢字一文字に決まった音（読み）」が定まっています。例えば、「東（トウ）」なら「동」、「海（カイ）」なら「해」、「人（ジン）」なら「인」なら、「家（カ）」なら「가」という音が、それぞれ一音ずつ定まっています。
日本語であれば、「家」の音読みは「家・屋（カ・オク）」、「家・賃（ヤ・チン）」というように、一字に対して、二音以上ありますが、韓国語では、ほぼ一対一で考えることができます。
※しかし、韓国語も一つの字に二音以上割り当てられている漢字もあるので、中級以上は注意が必要です。例：「殺人(살인)」「殺到(쇄도)」、「便利(편리)」「便所(변소)」など。
（２） 「漢語の個別的に決まった濃音化とは」
基本的に、韓国語では、漢字一字に対して音は「ひとつ」なのですが、熟語となることで、例外的に「濃音化」が起こるものがあります。これは、規則化できるものではないので、単語を覚える際、発音は別に覚える必要があります。
・人気：인기[인끼]
・潤気（うるおい）：윤기[윤끼]
・跆拳道：태권도[태꿘도]
＜さらに＞
「旅券：여권[여꿘]」なども、この仲間に入れる見方もあります。 「旅券」を「商品券」「航空券」のように「〇〇券」という接尾辞が付いた漢語という分け方をする方法です。 詳しくは、「Ｃ－４１．【濃音化】 派生語の濃音化について整理する 」の＜さらに＞をご覧ください。
＜もっと詳しく＞
漢語の中には「濃音化」を規則化できるものもあります。