Ｃ－１４．［連音化］닭（鶏）,여덟（やっつ）などの特殊な 二重パッチムの連音化について整理する。
＜これだけは＞
（１） 「連音化とは」
連音化とは、漢字の通り、音が連なる（変）化のことを言います。「音が連なる」というのはどういう場合かと言うと、名詞、動詞・形容詞関係なく、「パッチムの後ろに母音が連なる」場合のことです。例えば、
「사람（人）」という単語の後ろに、「이에요（～です）」という語尾がくると、
＜사람이에요（人です）＞となるわけですが、この時の発音は 「사람（人）」と「이에요（～です）」を別々に発音するわけではありません。
発音は [사라미에요] と発音します。
「사람」のパッチム「ㅁ」が、母音「ㅣ」とくっついて[미]と発音されるのです。
このような現象を「連音化」と呼んでいます。書くときは、＜사람이에요＞と書くのですが、読み方は[사라미에요]です。
基本的なパッチムの連音化については、「Ｃ－９．パッチムの連音化について整理する」をご覧ください。
（２） 「連音化すると二重パッチムは二つ読む」
二重パッチムの後ろに母音が来ても、「Ｃ－９．連音化」し ます。二重パッチムの場合は、パッチムを二つとも発音します。例えば、<읽다>（読む）を、「読みます」という丁寧な表現（해요体）にすると、＜읽어요＞となります。＜읽＞の後ろに＜다＞がある時は[익따]のように[익]と読み、<ㄹ>を読まなかったのですが、＜읽어요＞は、
＜읽어요＞ [일거요]
と発音します。
없다[업따]（ない） 밝다[박따]（明るい） 앉다[안따]（座る）
という単語も同様です。
例： ＜밝아요（明るいです）＞ ⇒ [발가요]
＜앉아요（座ります）＞ ⇒ [안자요]
ほかにも、
＜삶을（人生を）＞⇒[살믈]
＜밟은 땅（踏んだ土地）＞⇒[밟은][땅]
＜옮을 장소（移す場所）＞⇒[올믈][장소]
というようになります。
＜さらに＞
「닭」「여덟」 「흙」の「連音化」
基本的に「닭（鶏）」「여덟（やっつ）」「흙（土）」という単語の 二重パッチムの連音化も、パッチムを二つとも読むというのが基本になります。
＜닭이（鶏が）＞⇒[달기]
＜여덟을（やっつを）＞⇒[여덜블]
＜흙에（土に）＞⇒[흘게]
しかし、「닭（鶏）」「여덟（やっつ）」「흙（土）」の連音化は慣例的に、「片方のパッチムしか発音しません」。
「닭（鶏）「흙（土）」」 「여덟（やっつ）」は、単独で発音する時のパッチム、「ㄱ」「ㄹ」 だけで連音化させるのが慣例です（正しい発音ではありませんが、慣例的にみんなそう発音しているという意味です）。
| 単語 | 「慣例的な」連音化（１） 語尾「이에요」が付いた場合 |
| 닭 | 닭이에요[다기에요]（鶏です） |
| 흙 | 흙이에요[흐기에요]（土です） |
| 여덟 | 여덟이에요[여더리에요]（やっつです） |
これは、助詞がついた場合も同じです。
| 単語 | 「慣例的な」連音化（２） 助詞が付いた場合 |
| 닭 | 닭이 울어요[다기우러요]（鶏が鳴きます） 닭을 잡았어요[다글자바써요]（鶏を捕まえました） |
| 흙 | 흙이[흐기](土が)
흙을 붓다[]（土を注ぐ） |
| 여덟 | 여덟을 세요[여덜블세요]（やっつを数えます） 여덟에 하나 더해요[여덜베하나더해요]（やっつに、ひとつ加えます） |
＜もっと詳しく＞
他にも語と語の連なりの中で、「片方のパッチムしか発音しない」場合がでています。こちらは慣例ではなく、規則として（標準発音）として扱われるので、「닭（鶏）」「여덟（やっつ）」「흙（土）」の連音化とは区別が必要です。
「Ｃ－３１．「[連音化]二重パッチムの後ろに母音が来るときの発音を整理する」
また、「ㄳ、ㅄ」の二重パッチムをもつ語の中には、母音との連音化を起こしながら、「濃音化 」も同時に起こす場合があります。