語尾１．【名詞＋です】 名詞＋입니다について学ぶ。
＜これだけは＞
名詞につく 「です」
日本語で、
例１．私は学生です。
例２．故郷は函館です。
と言うときに使われる「です」があります。この「です」は、「学生だ」「函館だ」と、ぶっきらぼうに言う代わりに、丁寧に言うための表現です。目上の人に、「私は学生だ」とか、「故郷は函館だ」というと、ぶっきらぼうに聞こえてしまいいますが、「学生です」「函館です」と言った方が丁寧に聞こえますよね（方言で「おら学生だ」と目上の人に言うかもしれませんが、ここでは方言については詳しくは考えません）。
これと同じように、韓国語でもぶっきらぼうに言うときと、丁寧に言うときがあって、丁寧にな言い方の時は、「です」に該当する「입니다」を付けて言います。
例３．저는 학생입니다.(私は学生です。)
例４．고향은 하코다테입니다.(故郷は函館です。)
この「입니다」は、名詞の最後がパッチムで終わるかどうかは関係なく、すべて、「입니다」を付けます。 書くときには、最後に「.」で終わらせます。これは日本語の「。」に該当するもので、疑問文以外の文章の最後には、「.」を付けて終わらせます。
形も書き方も、すごく簡単に見えますが、勘違いしやすい語尾でもあります。勘違いしてはいけないポイントは、「名詞につく」ということです。例えば、日本語で「きれいだ」という「形容詞」は、韓国語の辞書を引くと、「예쁘다」と出てきますが、この「예쁘다（きれいだ）」をそのまま「입니다」とくっつけたからと言って、「きれいです」にはなりません。
× 예쁘다입니다.
形容詞には形容詞につく「です」があるので注意してください。ただし、名詞であれば、すべてにつけることができます。
＜さらに＞
「書き方」
名詞と「입니다」はくっつけて書きます。「입니다」は単語ではなく「語尾」で、韓国語では語尾をくっつけて書くルールがあるからです。
韓国語学習者の作文で、よく、
× 하코다테 입니다.（函館 です）
と離して書いてある間違いを見かけますが、これは間違いです。
正しくは
〇 하코다테입니다.と書いてください。
「読み方」
＜입니다＞の読み方は、[임니다]と読みます。 なぜこう読むかと言うと、「ㅂ」パッチムの後ろに「ㄴ」が来ると「ㅂ」は「ㅁ」で読むという、鼻音化というルールがあるからです。鼻音化のルールは先に覚えてもいいのですが、難しいという人は、とりあえず、「＜입니다＞の読み方は、[임니다]」と覚えてしまいましょう。
あと、名詞の最後がパッチムで終わる場合、Ｃ－９．連音化をおこします。
例えば、「駅（역）」「芸能人（연예인）」「 授業（수업）」という単語の後ろに、「입니다」がつく場合、
＜역입니다（駅です）＞ ⇒ [여김니다]
＜연예인입니다（芸能人です）＞ ⇒ [여네이님니다]
＜수업입니다（授業です）＞ ⇒ [수어빔니다]
となります。
ただし、Ｃ－９．連音化でも詳しく説明してある通り、「ㅇ」パッチムで終わっている名詞は、連音化せず、「ㅇ」パッチムをはっきり発音してから「입니다」を発音します。
＜학생입니다（学生です）＞ ⇒ [학생입니다]
＜もっと詳しく＞
韓国語は丁寧な「です」が二通りあり、一つは「입니다」、もう一つは「이에요/예요」です。むしろ、「이에요/예요」の方をたくさん聞くと言う人もいるのではないでしょうか。
「이에요/예요」は、パッチムで終わる名詞に「이에요」、パッチムで終わらない名詞に「예요」を付けます。
「이에요/예요」は、「입니다」より少しやわらかい印象を与える表現です。「이에요/예요」も丁寧な言い方なので、目上の人に対して使います。両親や親せきのおじさん、おばさん、親しい目上の人に多用します。あと、社会生活では自分がお客の立場として店員、銀行員等と話す時に使われます。
一方で、今回学ぶ「입니다」ですが、公の前での自己紹介、学校の発表、会社のプレゼン、司会、軍隊生活の時に多用されます。社会生活では、親しくない上司、普段は仲がいいけどだけど、喧嘩口調で言いたい相手の場合などに使われます。
ですので、普段使う語尾としては、「입니다」よりも、「이에요/예요」で統一していても差し支えないでしょう。
あと、上の説明で丁寧な「です」は、「입니다」「이에요/예요」なのはわかったけど、ぶっきらぼうな
例５．俺は学生だ
とか、
例６．これは何だ
という表現は逆にどう言うんだろう？と思った人もいると思います。今の段階では覚えなくていいこうもくですが、丁寧があるなら、ぶっきらぼうもあるということで、一応紹介だけしておきます。
このぶっきらぼうな言い方は、韓国語の場合、「書き言葉」と「話し言葉（厳密には話し言葉はさらに２種類）」の二種類があって少しやっかいです。日本語だったら作文で、
例７．私は学生だ。猫ではない。
と書くときの「だ」と、話す時の
例８．Ａ：オレ、オレ、たかしだけど
Ｂ：何だ、たかしか。
の「だ」は形も一緒ですし、ほぼ意味も一緒だと思います。ですが、韓国語では、
ぶっきらぼうな書き言葉の「だ」
例９．나는 학생이다. 고양이가 아니다. 私は学生だ。猫ではない。
ぶっきらぼうな話し言葉の「だ」
例１０．Ａ：나야 나, 다카시야.(オレだ、オレ、たかしだ)
Ｂ：뭐야, 다타시야? (何だ、たかしか)
となり、
ぶっきらぼうな書き言葉の「だ」＝이다
ぶっきらぼうな話し言葉の「だ」＝야 （パッチムで終わる名詞は「이야」）
です。
書き言葉を早い段階からマスターしたいという人は、「이다」の使い方を調べるといいと思いますし、ぶっきらぼう話し言葉（ため口）で友達と話したいという人は、「(이)야」の使い方を調べるといいでしょう。
ちなみに、話し言葉でも、
例１１． あれ？ IU（歌手の名前）だ！
みたいに、人を発見したときの「だ！」は、
例１２．어? 아이유다!(あれ？ IU（歌手の名前）だ！)
と「다」が使われます。