Ａ－２．持っている教科書でスラッシュリーディングをする。
＜これだけは＞
「スラッシュリーディング」とは
前田真彦(2013：18)「『前田式』韓国語パワーアップドリル」（HANA）によると、スラッシュリーディングとは、「意味のカタマリで一気に読む読み方」だそうです。意味のカタマリというのは、ゆっくり読むのであれば「文節」で区切って、慣れてきたら「連結語尾（-고, 아/어서, 으니까などの語尾）」で区切って読むというような感じです。
・ゆっくり読む場合
어느 금요일, / 톰은 / 학교에 / 가지 않고 / 강에서 / 놀았습니다./
ある金曜日、/ トムは / 学校に / 行かず、/ 川で / 遊びました。/
※例文は、韓国語学習ジャーナルhana編集部編(2019：12)「トムソーヤの冒険」『多読多聴の韓国語 やさしい韓国語で読む世界の名作文学』（HANA）から抜粋
意味のカタマリごとに「/（スラッシュ）」で区切りを入れます。
・慣れてきた場合
어느 금요일, / 톰은 학교에 가지 않고 / 강에서 놀았습니다./
ある金曜日、/ トムは学校に行かず、/ 川で遊びました。/
慣れてきたら、「고（～て）」「아/어서（～なので）」などの連結語尾まで一気に読むように意識ます。句読点がある場合は、句読点で一度区切ります。
前田真彦(2013：18)「『前田式』韓国語パワーアップドリル」（HANA）によれば、
スラッシュ・リーディングは、「最初は文字を見ながらで構いません。慣れてくれば文字を見ずに読んでみてください。うまくいかなければ、何度でも文字に戻ってください。」とのことです。
＜さらに＞
スラッシュを入れる場所がわからない
「スラッシュを入れる場所は文節」と言われても、よくわからないという人がいます。そういう人は、韓国語の文で「分かち書き（スペースが一コマ空いている）」されている部分ごとにスラッシュを入れてください。慣れてきたら、連結語尾ごとに区切って読むようにしましょう。あくまで連結語尾ごとに区切るので、連体形などは次の名詞と一緒に一気に読むといいと思います。「連結語尾」「連体形」と言われてもよくわからないという人は、日本語に訳したとき「～だから」「～なので」「～て」になる場所を区切ってみてください。
どうしてもよくわからないという人は、「日本語に訳したとき、自分が区切って読むとよさそうな場所にスラッシュを入れて」読んでみてください。
それでは、自分の持っている教科書の会話文や長文にスラッシュを入れて練習してみましょう。
＜もっと詳しく＞
スラッシュリーディングを「何も見ないでやる」効果とは？
前田真彦(2013：19)「『前田式』韓国語パワーアップドリル」（HANA）によると、文字を見ずにスラッシュ・リーディングできるようになるということは、
「音声を聞き、理解する」⇒「意味のカタマリを頭の中に一定時間保持する（短期記憶）する」⇒「自分の頭の中に保持された韓国語の意味のカタマリを発音する」
という作業を頭の中でしていると一緒だそうです。
つまり、文が意味をちゃんと理解した状態で、長期的に記憶できるようになる効果があるということですね。自分の発した音を聞き、理解し覚えられるという点で、リーディングのみならず、リスニング力もつく効果が得られるという主張です。