助詞３．【～を】 을/를について学ぶ。
＜これだけは＞
「パッチム」による区別
日本語の助詞「 ～を」に該当する助詞が韓国語にもあります。韓国語の「～ を」は、「은/는（は）」「이/가（が）」同様、「名詞」が「パッチムで終わっているか」「パッチムで終わっていないか」で形が異なります。
例えば、
| 名詞がパッチムで終わっているものの例 점심（ 昼ごはん ） | 을 がつく | 例文１． 점심을 먹습니다. （ 昼ご飯を食べます） |
| 名詞がパッチムで終わっていないものの例 바나나 우유（バナナ牛乳） | 를 がつく | 例文２．바나나 우유를 마십니다. （バナナ牛乳を飲みます） |
「을/를を使う基本的な動詞＝他動詞」
「～を『～する』」の『～する』の位置に入る動詞は、他動詞といいます。他動詞は「～が～を『～する』」のような文の形をとります。他動詞というのは、「～をする人が誰か？」が補える文です。それで、練習する時は、
철수 씨가 바나나 우유를 마십니다.（チョルスさんがバナナ牛乳を飲みます。）
철수 씨가 점심을 먹습니다.（チョルスさんが昼ご飯を食べます。）
というような感じで、「チョルスさんが」とか、「ミンギョンさんが」という「主語」を一番前に補って練習するといいでしょう。この主語は、「チョルス」「ミンギョン」じゃなくても、自分の名前でも誰でもいいです。「他人（誰か）が、何かを操作する」ので、「『他』動詞」と考えておきましょう。
また、
〇 시간이 걸립니다.（時間がかかります。）
× 철수 씨가 시간이 걸립니다.（チョルスさんが、時間がかかります。）
のように、「チョルスさんが」を補えないような文になる場合、「～する」の部分が自動詞とよばれます。自動詞は、「～が～する」の形にしかならず、「～を」が出てきません。この文から、「걸리다（かかる）」が自動詞だとわかります。辞書で動詞の単語を引くと、「自」とか「他」と書かれていて、ここから自動詞か他動詞かが判断できます。書かれていない場合は、自分で例文を作って、主語を補えるかどうか試してみるといいと思います。
この自動詞とか、他動詞という判別できる能力がつくと、後々韓国語学習がよりスムーズになるので、少なくとも、「을/를（を）」を使い、かつ主語が補えるものが他動詞なんだなとくらいは、覚えておきましょう。
＜チャレンジ１＞
初級で学ぶ他動詞・自動詞には以下のようなものがあります。それぞれ他動詞「～が～を～する」、自動詞「～が～する」の形で例文を作ってみましょう。
他動詞（～が～を～する）
하다：する 보다：見る 먹다：食べる 읽다：読む 듣다：聞く 입다：着る 신다：履く 쓰다：書く 만들다：作る
自動詞（～が～する）
자다：寝る 울다：泣く 걸리다：（時間が）かかる 끝나다：終わる 놀다：遊ぶ
＜さらに＞
「『～が～に～する』について」
日本語、韓国語には、他動詞「～が～を～する」の形も、自動詞「～が～する」の形を取らずに、「(主語）が～に～する」の形をとるものがあります。基本的に、日本語も韓国語も「 ～に～する」の形をとる場合は、「自動詞」と考えます。
철수 씨가 의자에 앉습니다.（チョルスさんが、椅子に座ります。）
민경 씨가 무대에 섭니다.（ミンギョンさんが、舞台に立ちます。）
보검 씨가 고향에 돌아가다.（ボゴムさんが、故郷に帰っていきます。）
유정 씨가 한국에 돌아옵니다.（ユジョンさんが、韓国に帰ってきます。）
さらに日本語で「～がショッピングに行く」「～が出張に行く」「～が海外旅行に行く」というように「場所に行く」ではなく、「ある行為をするために〇〇に行く」という意味で使う「～が～に行く」のような文は、韓国語でそのまま使えません。
× 쇼핑에 가다（ショッピングに行く）
× 출장에 가다（出張に行く）
× 해외 여행에 가다（海外旅行に行く）
基本的に韓国語の「가다（行く）」の前に「～に」が来る場合、「～」の部分には「場所」が入ります。「쇼핑（ショッピング）」「출장（出張）」「해외 여행（海外旅行）」は場所ではなく、「行為」なので、「쇼핑에 가다」「출장에 가다」「해외 여행에 가다」にはなりません。その代わり、「～をするために行く」と言いたい場合は、「～を行く」という形をとります。
〇 철수 씨가 쇼핑을 갑니다.
〇 민경 씨가 출장을 갑니다.
〇 유정 씨가 해외 여행을 갑니다.
ほかにも、日本語の「～に行く」が「～を行く」のような形になる「移動動詞」があります。「移動動詞」とは、
나가다（出ていく） 나오다（出てくる） 다니다（通う／回る） のような、移動の時に使う動詞です。
移動動詞に関しては「～に～する」「～を～する」の両方が使えます。「에（に）」を使うと、「場所」が強調され、
「을/를（を）」を使うと、「行為そのもの」が強調されるニュアンスの違いが生まれます。
〇 철수 씨가 수업에 나가다（授業（教室）＝場所に行くというニュアンスが強い）
〇 철수 씨가 수업을 나가다（チョルスが生徒として参加したというニュアンスが強い。また、チョルスが先生として勤め先のガッコに出勤したという考えもできる。）
〇 민경 씨가 학교에 나오다（授業（教室）＝場所にやってくるというニュアンスが強い）
〇 민경 씨가 학교를 나오다（ミンギョンが授業に参加したというニュアンスが強い。また、ミンギョンが先生として勤め先の学校に出勤したという考え方もできる。）
〇 태양 씨가 학원에 다닙니다.（テヤンが塾＝場所に通っているというニュアンスが強い。）
〇 태양 씨가 학원을 다닙니다.（テヤンが習慣として塾通いをしているというニュアンスが強い。）
＜チャレンジ２＞
ショッピング、出張、海外旅行の他に「～するために〇〇に行く」という意味で「～に行く」という形になる日本語を探して、「을/를 가다」という形の韓国語に直してみましょう。
ヒント：留学 、引っ越し、転校etc...
＜もっと詳しく＞
「自動詞と他動詞の区別が難しいもの」
日本語の動詞の中には、「同じ形で自動詞にも他動詞にも使える動詞」が存在します。例えば、次のようなものです。
他動詞：～を開く（ひらく） ～を閉じる（とじる） ～を終える（おえる）
自動詞：～が開く（ひらく） ～が閉じる（とじる） ～が終える（おえる）
しかし、韓国語ではこの動詞は「他動詞」「自動詞」で形が異なります。しっかり形の違いを覚えておきましょう。
他動詞：~을/를 열다(～を開く（ひらく）) ~을/를 닫다(～を閉じる（とじる）) ~을/를 끝내다(~を終える（おえる）)
自動詞：~이/가 열리다(～が開く（ひらく）) ~이/가 닫히다(～が閉じる（とじる）) ~을/를 끝나다(～が終える（おえる）)
また、韓国語、日本語両方で他動詞、自動詞の区別がよくわからないというものもあります。次の物は、日韓で「自動詞」に分類されますが、基本的に「～を～する」の形をとります。
철수 씨가 길을 걷다（チョルスさんが道を歩く）
민경 씨가 다리를 건너다（ミンギョンさんが橋を渡る）
보검 씨가 하늘을 날다（ボゴムさんが空を飛ぶ）
そのほかに、韓国語と日本語で「自動詞」「他動詞」が入れ替わるものがあるので注意が必要です。
それについては、こちら（Ｆ－４）をご参考ください。