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F－１７．依存名詞（形式名詞）について整理する

＜これだけは＞依存名詞とは

　一般的に川、雲、本などの「名詞」とは、主語として使えて「川が流れる」「雲が浮かんでいる」「本がある」のような文が作れます。しかし名詞の中には主語として使うことができないものがあります。

　例えば日本語の「今、子どもが起きた『ところ』だ」における「ところ」は「場所」の意味ではなく、「その瞬間」であることを意味する言葉です。「場所が変わる」という意味で「所が変われば、品変わる」というのであれば、「ところ（所）」は主語として使えますが、「その瞬間」という意味の「ところ」を主語にして、「×　ところ、ところが大切だ（その瞬間、その瞬間が大切だ）」と言っても意味が通じません。このように「文の中で、主語になれない名詞」のことを依存名詞（日本の国語の世界では「形式名詞」）と言います。

　また、川、雲、本などのように単独で意味をなせず、「この」「その」「あの」「歩くのは嫌だ」における「の」のように、「こ」「そ」「あ」と一緒に使わないと意味をなさなかったり、「歩く」という動詞（または形容詞）の連体形と一緒に使わないと意味をなさないものも「依存名詞（日本の国語の世界では「形式名詞」）」の仲間に入ります。

　日本語の依存名詞（形式名詞）には、この他にも「合格する『ため』」「見る『こと』ができる」における「ため」「こと」があります。

　韓国語の依存名詞も性質が日本語とよく似ています。

　例えば、「こと・もの」を表す「것」は単独で使えませんし、主語になりません。「商品がない」という意味で「物がない」と言いたい時に「것」を使って、

　× 것이 없다（物がない）

　と言うことはできません。商品としての「物」を韓国語で表したいときは、「물건」を使います。

　「こと・もの」を表す「것」は、「이것（これ）」「그것（それ）」「저것（あれ）」のように指示詞「이（こ）」「그（そ）」「저（あ）」と一緒に使うか、「좋아하는 것（好きな物）」のように、「좋아하다（好きだ）」の連体形と一緒に使う必要があります。

　「年度」を表す「해」も、「그 해 우리는(その年、私たちは）」のように、「그（その）」と一緒に使ったり、「새해（新年）」「올해（今年）」「지난 해（昨年）」のようにという連体詞とともに使われます。

　※単独で「해를 넘기다（年を越す）」のように単独で使うこともありますが、「해가（年が～）」のように、主語として使うことが難しいです。「해가～」のように主語として使われている文であれば、「太陽」の意味の同音異義語「해」である可能性が高いです（「해가 뜨다（日が昇る）」）。

　このほかにも、名前の後ろにつく「씨（～さん）」「님(～様）」「군（～君）←主に男の子の名前につける。日本語の「くん」に近いが、「子ども」を敬う時に使う。」「양（～嬢）←主に女の子の名前につける。日本語では「ちゃん」のように訳されるが、「子ども」を敬う時に使う。」も依存名詞として分類されます。

　主に名前や名詞の後ろにくる依存名詞をまとめると次のようになります。

依存名詞を伴う文法表現は、「過去連体形と付きやすいもの」「現在連体形と付きやすいもの」「未来連体形と付きやすいもの」という区分も可能です。以下にそれぞれの連体形と付きやすい傾向のある ものを「実質名詞」も含め、列挙しておきます。

※「実質名詞」とは、文の中で主語になることができるもので、「依存名詞」とは区別されます。「実質名詞」であっても、文法表現の一部として頻繁に使われるものがああるので、一緒に掲載しておきました。

＜過去連体形と付きやすいもの＞

＜現在連体形と付きやすいもの＞

＜未来連体形と付きやすいもの＞